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2026/07/26

民泊の収支計画―「180日ルール」の中で利益を出すための考え方

民泊の収支計画―「180日ルール」の中で利益を出すための考え方

今回は、民泊を事業として成立させるうえで避けて通れない「収支計画」について、住宅宿泊事業の最大の制約である年間180日の営業日数上限を前提に、利益を出すための考え方を解説します。

なぜ民泊の収支計画は「180日」から逆算するのか

住宅宿泊事業法に基づく届出民泊は、年間の営業日数が180日以内に制限されています。1年の約半分しか営業できないというこの制約は、収支計画の立て方を根本から規定します。ホテルや簡易宿所のように365日稼働を前提とした計画は成り立たないため、「180日という限られた枠の中で、どれだけ効率よく売上を作るか」という発想が出発点になります。

さらに注意したいのは、自治体の上乗せ条例です。地域によっては営業可能な期間や曜日がさらに制限されている場合があり、実際に営業できる日数が180日を大きく下回るケースもあります。収支計画は、物件所在地のルールを確認したうえで「現実に営業できる日数」をベースに組み立てる必要があります。

民泊の収支計画―「180日ルール」の中で利益を出すための考え方
売上の構造を分解して考える

民泊の売上は、シンプルに分解すると「宿泊単価 × 稼働日数」で決まります。営業日数の上限が決まっている以上、売上を伸ばす方向性は2つしかありません。ひとつは稼働率を高めて上限日数を使い切ること、もうひとつは1泊あたりの単価を上げることです。

稼働率については、営業可能な日をどのシーズンに配分するかが重要になります。180日をフルに使えるとしても、需要の少ない時期に営業枠を消化してしまうのはもったいない使い方です。観光需要が高まる季節、大型連休、地域のイベント開催時期など、高単価で予約が入りやすい日に営業枠を集中させることで、同じ180日でも売上は大きく変わります。

単価については、ターゲット設定が鍵を握ります。1〜2名向けのコンパクトな部屋で単価を抑えて回すのか、一棟貸しでグループや家族連れを狙い、1泊あたりの単価を高く設定するのか。特に一棟貸しの戸建て民泊は、人数が増えるほど1グループあたりの宿泊料金を高く設定でき、ホテルの複数部屋予約より割安感を出せるため、地方でも競争力を持ちやすい形態です。

民泊の収支計画―「180日ルール」の中で利益を出すための考え方
見落としがちな費用項目

収支計画で失敗する典型パターンは、費用の見積もりが甘いことです。民泊の費用は、開業時にかかる初期費用と、運営中に毎月かかるランニングコストに分けて整理します。

初期費用には、家具・家電・寝具・アメニティの購入費、消防設備の設置費、届出関連の費用、そして建物の補修費が含まれます。このうち建物補修費は物件の状態によって振れ幅が最も大きい項目です。全面リフォームを前提にすると初期投資が膨らみ、回収期間が長期化しますが、リペアによる部分補修を活用すれば、傷んだ床や建具、水回りを低コストで再生でき、初期投資を大きく圧縮できます。初期投資が小さいほど損益分岐点は下がり、事業としての安全性は高まります。

ランニングコストには、清掃費、リネン代、水道光熱費、通信費、予約サイトの手数料、消耗品費、管理委託費などがあります。特に清掃費は1回あたりの単価×宿泊組数で積み上がるため、稼働が増えるほど比例して増える変動費として計画に織り込む必要があります。また、固定資産税や火災保険料、そして180日しか営業できなくても12ヶ月分かかる基本的な維持費の存在も忘れてはいけません。

民泊の収支計画―「180日ルール」の中で利益を出すための考え方
「営業しない185日」をどう扱うか

180日ルールの裏側には、「営業できない約半年」が存在します。この期間の扱いも収支計画の重要な論点です。何もしなければ、その間も固定費だけが出ていきます。

選択肢としては、マンスリー契約や短期賃貸として貸し出す方法、レンタルスペースや撮影スタジオとして時間貸しする方法などが考えられます。宿泊以外の用途を組み合わせることで、営業できない期間の固定費を補い、年間トータルでの収益性を高める設計が可能になります。ただし、用途によって必要な契約形態や法令上の扱いが変わるため、組み合わせ方は慎重に検討する必要があります。

民泊の収支計画―「180日ルール」の中で利益を出すための考え方
収支シミュレーションは「悲観シナリオ」で作る

収支計画を立てる際は、希望的観測ではなく、控えめな数字で組むことをおすすめします。稼働率は高めに見積もりたくなるものですが、開業初年度はレビューが蓄積されておらず、予約サイト内での露出も限られるため、想定より稼働が伸びないことは珍しくありません。単価と稼働率を控えめに設定した「悲観シナリオ」でも赤字にならない計画であれば、事業としての耐久力は十分と言えます。

逆に、楽観シナリオでしか黒字にならない計画は、規制強化や競合増加といった外部環境の変化に対して脆弱です。全国的に民泊への規制が見直されている今だからこそ、保守的な計画づくりが将来の安定運営につながります。

民泊の収支計画―「180日ルール」の中で利益を出すための考え方
まとめ

民泊の収支計画は、「180日で稼ぐ・185日を活かす・費用を締める」という3つの視点で組み立てることが基本です。営業枠を需要期に集中させて売上効率を高め、非営業期間の活用で固定費を補い、リペア活用などで初期投資を抑えて損益分岐点を下げる。この積み重ねが、制約の中でも利益の出る民泊経営を実現します。私たちSATは、住宅宿泊管理業者として、収支の考え方のご相談から、リペアによる開業コスト圧縮、開業後の運営管理まで一貫してサポートしています。民泊の事業化を検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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