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2026/08/25

閑散期を作らない「稼働カレンダー」戦略。年間を通じて予約が入り続ける民泊の設計

閑散期を作らない「稼働カレンダー」戦略。年間を通じて予約が入り続ける民泊の設計

今回は、民泊運営の収益を安定させるための「稼働カレンダー」戦略について解説します。週末だけ・繁忙期だけに予約が集中し、平日や閑散期に空室が続くというパターンは、多くの民泊オーナーが直面する課題です。年間を通じた需要の波をあらかじめ把握し、カレンダーを戦略的に設計することで、閑散期を最小化して安定した収益を実現できます。

「稼働カレンダー戦略」とは何か

稼働カレンダー戦略とは、年間52週・12ヶ月の需要の変化を先読みし、価格・最低泊数・特定期間の営業可否を事前に設計することで、稼働率とRevPARを年間を通じて最適化する手法です。「予約が入ったら対応する」という受け身の運営から、「予約が入りやすい状態を能動的に作る」攻めの運営への転換です。

新潟を例に考えると、年間の需要には以下のような波があります。冬のスキーシーズン(12〜2月)・春の花見・山菜シーズン(4〜5月)・夏の海水浴・花火シーズン(7〜8月)・秋の紅葉・食のシーズン(10〜11月)が高需要期になる一方、梅雨時期(6月)・年度の変わり目(3月)・秋の端境期(9月)が比較的需要が落ちやすい時期になります。この波のパターンを1年分カレンダーに落とし込み、各時期に合わせた設定を事前に行っておくことが稼働カレンダー戦略の本質です。

閑散期を作らない「稼働カレンダー」戦略。年間を通じて予約が入り続ける民泊の設計
ステップ1:年間需要マップを作る

稼働カレンダーを設計する前に、まず自分の物件エリアの年間需要マップを作成します。需要マップとは、1月から12月まで各月・各週の需要の高低を色分けして可視化したものです。

需要マップを作るためのデータソースは複数あります。まず自分の過去データです。すでに運営中であれば、過去1〜2年の月別稼働率とADRのデータが最も信頼できる参考になります。次に競合物件の稼働状況です。AirbnbやBooking.comの競合物件のカレンダーを確認すると、空いている日程・埋まっている日程のパターンが分かります。また地域のイベントカレンダーです。新潟の場合、長岡まつり大花火大会・新潟まつり・FUJI ROCK FESTIVAL・苗場スキー場の営業期間・地域の農業イベントなどが需要ピークを作ります。これらをすべてカレンダーに書き込むことで、需要マップが完成します。

需要マップが出来上がったら、各時期を「高需要期(赤)」「中需要期(黄)」「低需要期(青)」の3段階に色分けします。この色分けが、価格設定と最低泊数設定の基準になります。

ステップ2:時期別の価格と最低泊数を設定する

需要マップが完成したら、各時期に応じた価格と最低泊数を設定します。

高需要期(赤)の設定

高需要期は価格を通常の1.5〜2倍以上に設定します。長岡の花火大会の週末など、エリア全体の需要が急増するタイミングでは、3〜5倍の単価設定でも予約が入るケースがあります。最低泊数は2〜3泊以上に設定することで、1泊の予約でカレンダーが細切れになるのを防ぎ、連泊予約を誘導します。高需要期は「売り切れ必至」の状態を作ることが目標です。

中需要期(黄)の設定

中需要期は通常単価を基準に、週末は1.2〜1.3倍、平日は0.9〜1.0倍の価格帯に設定します。最低泊数は週末2泊・平日1泊程度が現実的です。中需要期は稼働率と単価のバランスを取りながら、できるだけ空白日を作らない設定が目標です。

低需要期(青)の設定

低需要期は稼働率を優先した設定にします。単価を0.7〜0.9倍程度に下げ、最低泊数を1泊にして予約の間口を広げます。連泊割引(3泊以上で10%オフ・7泊以上で20%オフなど)を設定することで、ワーケーション利用者や長期滞在ゲストを取り込むチャンスになります。低需要期に1泊ずつ予約を積み上げるより、連泊で安定した稼働を確保する方が清掃コストも抑えられ収益性が高まります。

閑散期を作らない「稼働カレンダー」戦略。年間を通じて予約が入り続ける民泊の設計
ステップ3:閑散期を「テーマ」で需要喚起する

価格と最低泊数の設定だけでは解決しにくい低需要期の稼働率改善に有効なのが、「テーマによる需要喚起」です。閑散期でも、特定のゲスト層にとって魅力的な体験を提案することで、需要を創出できます。

新潟の6月(梅雨)であれば、「梅雨の新潟でアジサイと日本酒めぐり」「雨の日の蔵元見学と地酒テイスティング」といったテーマで、雨の日を楽しめる体験を提案します。3月の端境期であれば、「春の食材探し・山菜シーズン先取りプラン」「新潟の雪解けと越後の里山を歩く旅」といった切り口が効果的です。

こうしたテーマをAirbnbの説明文・SNSの投稿・掲載写真の更新で表現することで、「この時期にここへ行きたい」という動機をゲストに作り出します。テーマの発信は閑散期に入る4〜6週間前から行うことで、予約サイクルに合ったタイミングでゲストに届きます。

ステップ4:180日の営業枠を戦略的に配分する

届出民泊の場合、年間180日という営業枠の配分も稼働カレンダー戦略の重要な要素です。180日をすべて同じように消化するのではなく、需要マップをもとに「どの日に営業枠を使うか」を戦略的に決めることが収益最大化のポイントです。

基本的な考え方は、高需要期の日程は必ず営業枠を確保し、低需要期は営業枠を温存または他の用途(マンスリー賃貸・レンタルスペース)に振り向けるという配分です。例えば、夏の花火大会の週末・お盆・年末年始・シルバーウィーク・ゴールデンウィークで合計50〜70日の営業枠を消化し、残りの110〜130日を中需要期に配分するという設計が一例です。低需要期の梅雨時期や3月は営業枠を最小限にして、高単価が取れる時期に枠を温存する発想です。

ただしこの設計は、物件の立地・ターゲット層・競合状況によって最適解が変わります。スキー場近くの物件では冬に営業枠を集中させる設計が合理的ですし、通年で安定した需要がある立地では均等配分の方が有利なケースもあります。

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ステップ5:カレンダーの「見せ方」を管理する

稼働カレンダー戦略において、予約サイト上でのカレンダーの見せ方も重要です。

空白日が多いカレンダーは、「人気のない物件」という印象を与えます。低需要期でも、計画的に特定の日をブロック(予約不可設定)することで、カレンダー上の空白を減らし「埋まっている人気物件」に見せる工夫ができます。例えば連泊のみ受け付ける設定にすることで、単泊での空白が目立たなくなります。

また、直前割引の設定も重要な戦術です。チェックイン3〜5日前になっても空いている日程には、自動的に10〜15%の直前割引が適用される設定を行うことで、直前のバーゲンハンターゲストを取り込み、空白日を最小化できます。PriceLabsやBeyondなどの価格最適化ツールはこの直前割引の自動設定も対応しており、運営者が毎日手動で価格を変更する手間を省けます。

閑散期を作らない「稼働カレンダー」戦略。年間を通じて予約が入り続ける民泊の設計
カレンダー設計と物件の状態管理をセットで行う

稼働カレンダー戦略を最大限に機能させるためには、物件の状態管理とのセットが欠かせません。高需要期の前に物件の傷みを補修しておくことで、繁忙期のレビュー評価を守れます。床の傷・水回りの変色・建具の不調など、ゲストが気になる可能性がある症状は、閑散期のうちにリペアで解決しておくことが理想です。

閑散期は稼働率が低い分、施設のメンテナンスに使える時間が確保できます。「低需要期に施設を整え、高需要期に最高の状態でゲストを迎える」というサイクルを作ることが、年間を通じた高評価維持の基盤になります。

閑散期を作らない「稼働カレンダー」戦略。年間を通じて予約が入り続ける民泊の設計
まとめ

閑散期を作らない稼働カレンダー戦略は、年間需要マップの作成・時期別価格と最低泊数の設定・テーマによる需要喚起・180日営業枠の戦略的配分・カレンダーの見せ方管理という5つのステップで構築できます。感覚での運営から計画的な運営への転換が、年間RevPARを引き上げる最も持続的な方法です。

稼働カレンダーの設計サポート・閑散期前のリペアによる物件整備・高需要期に向けた施設メンテナンスから民泊管理まで、㈱SATにお気軽にご相談ください。新潟で民泊をトータルサポートする私たちが、年間を通じた安定稼働の実現を一貫してサポートいたします。

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