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2026/10/06

10月の最低賃金引き上げに負けない!民泊の「無人化オペレーション」で人件費上昇を吸収する経営戦略

10月の最低賃金引き上げに負けない!民泊の「無人化オペレーション」で人件費上昇を吸収する経営戦略

10月1日、新潟県の最低賃金が改定されました。時間額1,050円から58円引き上げられ、1,108円になっています。最低賃金はここ数年、毎年のように大きく引き上げられており、この流れは今後も続くと見られています。

民泊・宿泊施設の運営は、清掃やリネン交換、チェックイン対応など、人の手に頼る業務が多いビジネスです。人件費の上昇は、そのまま利益率の低下につながります。今回は、人件費上昇のリスクを吸収しながら収益を守るための「無人化オペレーション」の考え方と実務を解説します。

最低賃金の上昇が民泊に与える影響

最低賃金の引き上げは、最低賃金ぎりぎりで雇っている人だけの話ではありません。地域全体の時給の相場が底上げされるため、それより高い時給で働いてもらっているスタッフの賃金にも、上げ圧力がかかります。清掃スタッフを募集しても、以前の時給では人が集まらなくなるのです。

具体的に試算してみましょう。一棟貸しの民泊で、1回の清掃に2人で3時間かかり、月に12回清掃が発生するとします。清掃の作業時間は月72時間です。時給が58円上がると、月に約4,200円、年間では約5万円の負担増になります。

1物件だけなら大きな金額に見えないかもしれません。しかし複数の物件を運営している場合や、フロントに受付スタッフを配置している施設では、影響は何倍にもなります。そして、この上昇は一度きりではなく、毎年積み重なっていきます。数年単位で見れば、人件費の構造そのものを見直さなければ、利益がじわじわと削られていくことになります。

考え方の基本:「人が必要な業務」を減らし、「必要な分だけ払う」

人件費上昇への対策は、大きく二つに分けられます。

一つは、そもそも人が介在する業務を減らすことです。チェックイン対応や鍵の受け渡し、問い合わせ対応など、テクノロジーで置き換えられる業務は置き換えていきます。

もう一つは、人件費を「固定費」から「変動費」に変えることです。予約がない日にもスタッフを確保しておく形ではなく、清掃が発生したときに、発生した分だけ費用を払う形にすることで、稼働が少ない時期の人件費負担を抑えられます。

10月の最低賃金引き上げに負けない!民泊の「無人化オペレーション」で人件費上昇を吸収する経営戦略

戦略①:スマートロック×PMSで無人チェックインを実現する

人が関わる業務の中で、最も置き換えやすく効果が大きいのがチェックイン対応です。

スマートロックとPMS(宿泊管理システム)を連携させると、予約が確定した時点で、そのゲスト専用の暗証番号が自動で発行され、チェックイン時刻から有効になり、チェックアウト後に自動で無効になります(詳しくは69記事で解説しています)。鍵の受け渡しのためにスタッフが現地に行く必要はなくなります。

本人確認についても、ゲストが事前にオンラインで身分証の画像を提出し、到着時にタブレットなどで顔を確認する仕組みを使えば、対面でなくても法令が求める確認を行えます。運営の形態によって必要な手続きは異なるため、導入前に自治体や保健所の窓口に確認しておきましょう。

ここで一つ注意しておきたいことがあります。「無人化」とは、「現地に常駐する人がいない」という意味であって、「誰も管理していない」という意味ではありません。住宅宿泊事業法では、家主が不在となる民泊の場合、住宅宿泊管理業者に管理を委託し、苦情や緊急時に速やかに対応できる体制を整えることが求められています。無人化とは、管理の質を下げずに、人が現地にいなくても回る仕組みを作ることです。

10月の最低賃金引き上げに負けない!民泊の「無人化オペレーション」で人件費上昇を吸収する経営戦略

戦略②:問い合わせ対応を自動化する

チェックイン後のゲストからの問い合わせも、人手を取られる業務の一つです。「Wi-Fiのパスワードは?」「ゴミはどこに出す?」といった定型的な質問は、ハウスルールを学習させたAIチャットボット(87記事)や、予約サイトの自動メッセージ機能で対応できます。

問い合わせの多くを自動で解決できれば、スタッフが対応するのは、設備の故障や緊急時など、本当に人の判断が必要な場面だけになります。

戦略③:清掃を「必要な分だけ頼む」形に変える

清掃は、無人化が最も難しい業務です。ロボット掃除機で床の掃除はできても、ベッドメイキングや水回りの清掃、備品の補充は人の手が必要です。そこで考えたいのが、清掃の外注化と変動費化です。

近年は、短時間の仕事を必要なときだけ依頼できる、いわゆるスキマバイトのアプリや、清掃業務に特化したマッチングサービスが広がっています。清掃が発生したときだけ人を手配できるため、閑散期に人件費が重くのしかかることがありません。

ただし、注意点もあります。

まず、スキマバイトのように雇用契約の形で働いてもらう場合は、当然ながら最低賃金が適用されます。外注したからといって最低賃金の影響がなくなるわけではありません。変動費化のメリットは、「働いてもらった分だけ払う」ことで無駄な固定費をなくせる点にあります。

次に、業務委託の形で依頼する場合、作業の進め方を細かく指示しすぎると、実態は雇用と変わらないと判断されるおそれがあります。契約の形と実際の働き方が合っているか、注意が必要です。

そして何より大切なのが、清掃の品質管理です。毎回違う人が清掃に入る場合、仕上がりにばらつきが出やすくなります。写真付きの清掃マニュアルや、チェックリスト、完了時の写真報告のルールを整えておくことで、誰が担当しても同じ品質を保てるようにしましょう。清掃の質はレビューの評価に直結するため、ここを疎かにすると、人件費を削った以上に売上を失うことになります。

10月の最低賃金引き上げに負けない!民泊の「無人化オペレーション」で人件費上昇を吸収する経営戦略

戦略④:清掃の「時間」そのものを短くする

時給が上がるなら、作業時間を短くすることも有効な対策です。

一つは、リネンサプライ(リネンの貸し出し・クリーニングサービス)の活用です。シーツやタオルの洗濯・乾燥・たたみの作業を現地で行わなくて済むため、清掃時間を大幅に短縮できます。

二つ目は、最低宿泊日数の見直しです。1泊ごとに清掃が発生する設定から、2泊以上の設定に変えるだけで、同じ稼働日数でも清掃回数を減らせます(71記事で詳しく解説しています)。

三つ目は、物件そのものを「清掃しやすい状態」にしておくことです。傷や汚れがついた床、黒ずんだシーリング、使いにくい収納は、清掃に余計な時間がかかる原因になります。リペアによって傷みを補修し、掃除しやすい状態を保つことも、人件費を抑える投資になります。

戦略⑤:上がったコストは適正に価格に反映する

人件費の上昇をすべて運営側の工夫だけで吸収するのには限界があります。清掃料の見直しや、宿泊料金の適正化も検討しましょう。

周辺の競合物件の価格を確認しながら、清掃料を少し上げる、繁忙期の料金を見直すといった調整は、コスト上昇に対応する正当な経営判断です。同時に、世界観づくりやサービスの向上によって「この価格でも泊まりたい」と思ってもらえる価値を高めていくことが、長期的には最も強い対策になります。

また、国には、事業所内の最低賃金を引き上げ、生産性を高める設備投資を行う中小企業を支援する「業務改善助成金」などの制度があります。スマートロックなどの設備導入が対象になるかは要件次第ですので、活用を検討する場合は労働局などの窓口で確認してみてください。

10月の最低賃金引き上げに負けない!民泊の「無人化オペレーション」で人件費上昇を吸収する経営戦略

人件費上昇を「仕組みを見直すきっかけ」に

最低賃金の引き上げは、今後も毎年続いていく可能性が高い経営環境の変化です。スマートロックとPMSの連携による無人チェックイン、問い合わせの自動化、清掃の外注化と変動費化、清掃時間の短縮、そして適正な価格設定。これらを組み合わせることで、人件費が上がっても収益を維持できる運営体制を作ることができます。

大切なのは、無人化によって管理の質を落とさないことです。現地に人がいなくても、ゲストが安心して過ごせ、近隣にも迷惑をかけない。その仕組みを作ることが、これからの民泊経営に求められています。

無人チェックインの導入サポート、PMS・スマートロックの選定、清掃体制の構築、住宅宿泊管理業者としての管理代行、物件の清掃しやすさを高めるリペアまで、㈱SATにお気軽にご相談ください。新潟で民泊をトータルサポートする私たちが、コスト上昇に強い運営体制づくりを一緒に進めます。

※最低賃金額は地域・業種によって異なります。最新の金額や助成金の要件は、労働局などの公式情報をご確認ください。

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