スタッフブログ
2026/07/13
【民泊開業】民泊市場は「拡大」と「淘汰」が同時進行中。それでも今、空き家民泊を始める価値がある理由

こんにちは。住まいのリペアSATです。
最近、民泊のご相談をいただく際に、こんな質問をよくいただきます。
「民泊って、撤退している人も多いって聞くけど、大丈夫なんですか?」
たしかに、ニュースやSNSでは「民泊は儲からない」「廃業が増えている」という声を目にすることがあります。
一方で「インバウンドが絶好調で民泊が足りない」という真逆の話も聞こえてくる。
どちらが本当なのか、これから始めようとしている方が不安になるのは当然だと思います。
結論からお伝えすると、どちらも本当です。
いまの民泊市場は「拡大」と「淘汰」が同時に進んでいます。
そして私たちスタッフの実感として、淘汰されているのは「準備不足のまま始めた民泊」であって、きちんと設計された民泊はむしろ追い風の中にいます。
今回は、公的なデータをもとにこの「二つの真実」を解きほぐしながら、それでも今、空き家民泊を始める価値がある理由をお伝えします。

データで見る民泊市場のリアル
まず数字から見ていきましょう。
観光庁によると、住宅宿泊事業法に基づく民泊の届出は累計63,658件に達していますが、このうち事業を廃止したものが22,913件あり、実際に稼働している届出住宅数は40,745件です(2026年5月時点)。 Crex-data
「え、3分の1以上が廃止しているの?」と驚かれたかもしれません。この数字だけを見れば、「民泊は厳しい」という声にも頷けます。
ところが、需要側のデータを見ると景色が一変します。
直近の延べ宿泊者数は約172万人泊で、前年同期比+43.0%と大きく伸びており、宿泊者の57.8%が外国人。
つまり、泊まりたい人は急増しているのに、施設の淘汰も進んでいる
これが今の民泊市場です。 Crex-data

「廃止2万件超」の中身を知っていますか?
ここで大事なのが、廃止された2万件超の「中身」です。
観光庁が過去に実施した廃止理由の調査では、廃止の最大の理由は「旅館業または特区民泊へ転用するため」で、全体の約58%を占めていました。 Note
つまり、廃止届を出した施設の多くは、宿泊事業をやめたわけではありません。
年間180日の営業制限がない旅館業法のほうが事業として効率がいいと判断して、切り替えたオーナーさんが多かったのです。
むしろ「本気で続けるための業態転換」であり、廃止件数=失敗件数ではないということです。 Note
もちろん、収益が出ずに撤退したケースも一定数あります。
私たちが現場で見聞きする範囲では、うまくいかなかった民泊にはいくつかの共通点があります。
- 初期投資をかけすぎて、回収に追われる価格設定になってしまった
- 逆に手を入れなさすぎて、写真で選ばれず稼働率が上がらなかった
- 清掃や近隣対応などの運営体制を考えずに始めて、疲弊してしまった
裏を返せば、この3つを最初から設計しておけば、淘汰される側に回る可能性はぐっと下がるということです。

「量より質」の時代は、実は空き家に有利です
市場全体の分析でも、近年は一棟貸しやデザイン重視の滞在型施設など、ターゲット層を絞った高付加価値型の供給が増えており、民泊市場は「量よりも質」が求められるフェーズに移行しつつあると指摘されています。 Bestofminpaku
「質が求められるなら、古い空き家は不利では?」と思われるかもしれません。
私たちの現場感覚は逆です。
外国人ゲストや都市部からの旅行者が求めている「質」とは、高級ホテルのような豪華さではありません。
その土地でしか体験できない滞在です。
縁側、和室、木の柱、庭の眺め。
地元の私たちが見慣れた古い家の風景こそ、ワンルームマンション型の民泊には絶対に真似できない差別化要素なのです。
問題はただ一つ。
「古さ」は魅力になりますが、「傷み」はマイナスにしかならないということ。
床のキズ、建具の凹み、壁のシミ。
予約サイトの写真でここが目に入ると、せっかくの趣が「手入れされていない古い家」に見えてしまいます。

事例:初期投資を抑えて、価格競争に巻き込まれなかった一棟貸し
ここで、私たちが関わった案件をモデルにした事例をご紹介します(内容は特定を避けるため一部調整しています)。
ご相談いただいたのは、親御様から築45年の木造一戸建てを相続された50代の方。
当初は「民泊にするなら全面リフォームで800万円くらいかかると言われて、諦めかけている」という状態でした。
現地を拝見した私たちの提案はこうでした。
「張り替えなくても、直せる場所がたくさんあります」
- 傷んだフローリングは全面張替えではなく、リペア技術で部分修復
- 建具のキズ・柱の凹みも交換せず修復し、古い木の風合いはそのまま活かす
- 費用をかけるのは、宿泊者の満足度を左右する水回りと寝具・消防設備に集中
結果、当初見積りの半分以下の初期投資で開業にこぎつけました。
そして、ここからが本題です。
初期投資が軽かったことで、このお宅は回収を焦る必要がなくなりました。
周囲の民泊が稼働率を上げるために値下げ競争をする中でも、「古民家一棟貸し」としての適正価格を維持でき、週末と観光シーズン中心の運営で無理なく黒字化。
「安いから選ばれる宿」ではなく「泊まりたいから選ばれる宿」になれたのです。
初期投資の重さは、開業後の値付けの自由度に直結します。
これは私たちが多くの現場で実感していることです。
淘汰されない民泊の条件は「工事の前」に決まる
もう一つ、運営面のお話です。
オーナー様がその家に住まない「家主不在型」の民泊では、住宅宿泊管理業者への管理委託が法律で義務付けられています。
相続した空き家の民泊化は、ほとんどがこの家主不在型です。
つまり空き家民泊は、「工事をどうするか」と「運営を誰に任せるか」の両方を最初に設計する必要があります。
ここがバラバラだと、工事は終わったのに運営体制が決まらない、運営会社に言われて追加工事が発生する、といったロスが生まれがちです。
私たち㈱SATは、住宅リペア・民泊関連リフォームの工事部門と、住宅宿泊管理業の運営部門を両方持っています。
「この間取りなら清掃動線はこうなる」「ここは直すべき、ここは味として残すべき」という判断を、工事と運営の両方の目線で最初からご提案できるのが、私たちの一番の強みだと思っています。
問いは「始めるべきか」ではなく「どう始めるか」
最後に、今日の内容を整理します。
- 民泊市場は淘汰が進む一方、宿泊需要は前年比+43%と急拡大している
- 廃止の中身は業態転換が多く、「廃止2万件=失敗2万件」ではない
- 「量より質」の時代、地方の古い空き家はむしろ差別化しやすい
- 初期投資を抑えることが、開業後の価格競争を回避する最大の武器になる
- 工事と運営管理をセットで設計することが、淘汰されない民泊の条件
「うちの実家、民泊にできるだろうか?」
その段階のご相談で大丈夫です。
建物の状態を拝見し、リペアで活かせる部分・費用をかけるべき部分を現場のプロの目でサッと診断いたします。
空き家を眠らせておくか、地域の魅力を発信する宿に育てるか。
まずはお気軽に、住まいのリペアSATまでご相談ください。







