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2026/10/15
「1泊の予約、受けて大丈夫?」民泊の最低宿泊日数と自治体ルール、国の基準だけでは足りない理由

今回は、民泊の運営者でも意外と知らない「最低宿泊日数」と「自治体ごとのルール」についてお話しします。
「1泊だけの予約を普通に受けていたら、後から指摘された」。こうしたケースは、運営している民泊がどの制度にもとづいているのかを正確に把握していないことから起こります。予約サイトは、物件がどの制度で営業しているか、その自治体にどんなルールがあるかまでは自動でチェックしてくれません。最終的に確認できるのは運営者自身だけです。
「民泊」には3つの制度がある
まず整理しておきたいのが、一口に「民泊」と言っても、営業の根拠になる制度が複数あるということです。
①住宅宿泊事業法による民泊(いわゆる民泊新法)
全国で利用でき、自治体への届出で始められる制度です。年間の営業日数は180日以内という上限がありますが、最低宿泊日数の定めはなく、1泊からゲストを受け入れられます。
②旅館業法による許可(簡易宿所など)
保健所の許可を受けて営業する制度です。営業日数の上限も、最低宿泊日数の定めもありません。
③国家戦略特区法による民泊(いわゆる特区民泊)
国家戦略特区に指定された地域のうち、条例で定めたエリアでだけ利用できる制度です。年間の営業日数の上限はありませんが、その代わりに「最低宿泊日数」が定められています。
この3つの違いを理解していないと、「民泊は1泊から受けられる」「民泊は年間180日まで」といった、ある制度のルールを別の制度に当てはめて誤解してしまうことになります。

最低宿泊日数があるのは「特区民泊」
最低宿泊日数の決まりがあるのは、特区民泊です。特区民泊では、3日(2泊3日)から10日までの範囲内で、自治体が条例で定めた期間以上の滞在でなければゲストを受け入れられません。
もともと最低宿泊日数は「6泊7日以上」とされていましたが、2016年の改正で「2泊3日以上」まで短縮できるようになりました。現在は多くの自治体で2泊3日以上とされていますが、具体的な日数は自治体の条例によって異なります。
つまり、特区民泊の認定を受けている物件で1泊だけの予約を受けることは、制度のルールに反することになります。年間を通じて営業できるという大きなメリットの裏側に、この条件があるのです。
新潟市も特区民泊の対象地域
あまり知られていませんが、新潟市は特区民泊を実施している自治体の一つです。大阪や東京都大田区などと並んで、比較的早い時期から特区民泊の認定を行ってきました。
そのため新潟市内では、民泊新法の届出物件、旅館業の許可物件、特区民泊の認定物件が混在しています。物件を購入したり、運営を引き継いだりした際に、その物件がどの制度で営業しているのかを確認しないまま、「民泊だから1泊から受けられるだろう」と考えてしまうと、思わぬ違反につながります。
物件の引き継ぎや管理委託の切り替えの際には、届出番号や認定書、許可証を必ず確認し、どの制度で営業しているのかを把握しておきましょう。

民泊新法にも「自治体の上乗せ」がある
では、民泊新法の物件であれば国のルールだけ見ていれば安心かというと、そうではありません。
住宅宿泊事業法では、生活環境の悪化を防ぐために、自治体が条例で「民泊を実施できる区域」や「実施できる期間」を制限できるとされています。たとえば、住居専用地域では平日の営業を認めない、学校の周辺では一定の期間営業できない、といったルールを定めている自治体があります。
さらに2026年7月には、観光庁などから自治体に対して、条例で新たな民泊を実質的に禁止する「ゼロ日規制」も可能だとする通知が出されました(72記事・82記事)。今後、自治体ごとのルールはさらに多様になっていく可能性があります。
国が定めた「年間180日」というのはあくまで上限です。実際に営業できる日数や曜日は、物件のある自治体の条例によって、それよりも短くなることがあるのです。

予約サイトは条例までチェックしてくれない
ここで注意したいのが、予約サイトの仕組みです。
AirbnbなどのOTAでは、最低宿泊日数や受け入れ可能な曜日を運営者が自分で設定します。予約サイトの側が「この物件は特区民泊だから2泊以上でなければならない」「この地域は平日営業できない」と判断して、自動で予約を止めてくれるわけではありません。
設定を間違えていれば、ルールに反する予約がそのまま入ってきます。そして、その予約を受けた責任は運営者にあります。「予約サイトで受けられたから大丈夫だと思っていた」という言い訳は通用しません。

今すぐできる確認と設定
ルール違反を防ぐために、運営者が確認しておきたいポイントを整理します。
①自分の物件の制度を確認する
届出番号、認定書、許可証を確認し、民泊新法・旅館業・特区民泊のどれで営業しているのかを把握します。
②自治体の条例を確認する
物件のある自治体のホームページで、住宅宿泊事業や特区民泊に関する条例を確認します。分かりにくい場合は、自治体の担当窓口に直接問い合わせるのが確実です。
③予約サイトの設定に反映する
特区民泊であれば、最低宿泊日数を条例の定める日数に設定します。民泊新法で曜日や期間の制限がある場合は、営業できない日をカレンダーでブロックしておきます。複数の予約サイトを使っている場合は、すべてのサイトで設定がそろっているかを確認しましょう。PMS(宿泊管理システム)を使えば、設定を一元管理しやすくなります。
④条例の改正を定期的に確認する
条例は改正されることがあります。年に数回は自治体のホームページを確認し、ルールが変わっていないかをチェックする習慣をつけましょう。
最低宿泊日数は「不利」なだけではない
特区民泊の最低宿泊日数は、制約のように感じるかもしれません。しかし見方を変えれば、運営上のメリットもあります。
2泊以上の滞在が前提になるため、清掃の回数が減り、清掃費や手間を抑えられます(71記事)。また、じっくり滞在するゲストは、周辺の観光や飲食を楽しむ傾向があり、地域の魅力を伝える宿としての価値も高まります。
大切なのは、ルールを知らずに違反してしまうことではなく、ルールを理解したうえで、それを活かした運営を設計することです。

「国のルールを見たから大丈夫」が一番危ない
民泊の運営では、国の制度だけでなく、物件がどの制度で営業しているのか、そして自治体がどんなルールを上乗せしているのかを把握することが欠かせません。特区民泊には最低宿泊日数があり、民泊新法にも自治体による区域や期間の制限があり得ます。そして予約サイトは、こうしたルールを自動で守ってくれるわけではありません。
みなさんの物件はどの制度で営業していて、地域にはどんな条例があるでしょうか。この機会に一度確認してみてください。
物件の営業制度の確認、条例に合わせた予約設定の見直し、民泊の運営管理代行まで、㈱SATにお気軽にご相談ください。新潟で民泊をトータルサポートする私たちが、ルールを守りながら収益を最大化する運営をお手伝いします。
※最低宿泊日数や営業制限の内容は自治体の条例によって異なり、改正されることがあります。最新の内容は物件所在地の自治体にご確認ください。
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