CONTACT

メニューを開く

メガメニュー を閉じる

opennavi

Blogスタッフブログ

スタッフブログ

2026/10/27

古民家の木製サッシを「交換しない」という選択。結露による黒カビ・水腐れを直して、意匠を残すリペア技術

古民家の木製サッシを「交換しない」という選択。結露による黒カビ・水腐れを直して、意匠を残すリペア技術

古民家の魅力のひとつに、木製の窓枠(木製サッシ)があります。長い年月を経て飴色に変わった木の枠、細い桟で区切られたガラス窓。アルミサッシにはない、温かみのある表情は、古民家ならではの風景をつくっています。

ところが、この木製サッシは、新潟の冬の結露に弱いという一面を持っています。結露の水を吸い続けた木は、春先になると黒カビが広がり、やがて腐って柔らかくなってしまいます。

「傷んだならアルミサッシに替えるしかない」と考える方も多いのですが、それでは古民家の大切な意匠が失われてしまいます。今回は、木製サッシの黒カビや水腐れを、交換せずに直すリペアの方法をご紹介します。

古民家の木製サッシを「交換しない」という選択。結露による黒カビ・水腐れを直して、意匠を残すリペア技術

木製サッシが結露で傷むしくみ

古民家の窓の多くは、一枚ガラスの木製サッシです。一枚ガラスは断熱性が低いため、冬の冷え込んだ朝には、ガラスの室内側に大量の結露が発生します。

結露の水はガラスを伝って流れ落ち、サッシの下の部分(下框や下桟と呼ばれる横の部材)にたまります。木は水を吸いやすい素材のため、毎朝のように濡れることを繰り返すうちに、木の内部まで水分がしみ込んでいきます。

濡れた状態が長く続くと、まず表面に黒カビが発生します。さらに放置すると、木を分解する菌(腐朽菌)が繁殖し、木材が柔らかく、もろくなっていきます。これが「水腐れ」と呼ばれる状態です。新潟の長い冬を何度も越えるうちに、サッシの下の部分だけが黒く変色し、指で押すとへこむほど傷んでいる、というケースは珍しくありません。

水腐れが進むと、見た目が悪くなるだけでなく、窓の開け閉めがしにくくなったり、すき間から冷たい風が入ったり、ガラスを固定する部分が弱くなったりと、窓としての機能にも影響が出てきます。

古民家の木製サッシを「交換しない」という選択。結露による黒カビ・水腐れを直して、意匠を残すリペア技術

アルミサッシへの交換が大がかりになる理由

傷んだ木製サッシをアルミサッシに交換する場合、窓の枠ごと取り替える工事になることが多くあります。古民家の窓は、現在の規格品とは寸法が合わないことがほとんどで、外壁や内壁の一部を壊して枠を取り付け直す必要が出てきます。

その結果、窓1か所の交換でも工事の範囲が広がり、費用が高くなります。外壁の補修や内装の復旧まで含めると、想像以上の出費になることもあります。

そして何より、アルミサッシに替えた瞬間に、古民家らしい窓辺の景色は失われてしまいます。民泊として古民家を活用している場合は、その意匠こそがゲストに選ばれる理由のひとつです。窓を替えたことで、建物全体の魅力が損なわれてしまっては元も子もありません。

リペアの手順:傷んだ部分だけを取り除いて作り直す

木製サッシのリペアでは、傷んだ部分だけを取り除き、残った健全な木を生かしながら、元の形を作り直していきます。

手順①:傷みの深さを調べる
まず、黒カビや変色の範囲を確認し、きりやドライバーで木を軽く押して、どこまで柔らかくなっているかを調べます。表面だけの傷みなのか、内部まで腐っているのかによって、直し方が変わります。

手順②:腐った部分を削り落とす
柔らかくなった部分、黒カビが深くしみ込んだ部分を、ノミや専用の工具で丁寧に削り落とします。腐った木を残したまま補修すると、内部で腐朽が進み、すぐに再発してしまいます。健全な硬い木が出てくるまで、慎重に取り除きます。

手順③:乾燥させ、防カビ・防腐の処理をする
削った部分を十分に乾燥させたうえで、防カビ剤や防腐剤で処理します。残っている菌の働きを抑え、再びカビや腐朽が広がるのを防ぐための大切な工程です。

手順④:木を固め、エポキシ樹脂で形を作る
周りの木に、木材を固めるための薬剤をしみ込ませて強度を高めます。そのうえで、削り取って欠けた部分に、硬化すると木のように硬くなるエポキシ樹脂を充填し、元のサッシの形に合わせて成形します。角の形や、桟の細かな形状も、元の姿に近づけるように整えます。

手順⑤:研磨して木目を描き込む
樹脂が硬化したら、表面を研磨して周りの木と段差がないように仕上げます。そのうえで、周りの古い木の色に合わせて着色し、筆で木目を描き込んでいきます。年月を経た木の色合いは一様ではないため、何色も重ねながら、補修した部分が周りに溶け込むように仕上げていきます。

手順⑥:水に強い塗装で保護する
最後に、表面を水に強い塗料で保護します。結露の水が木にしみ込みにくくなり、再び傷むのを防ぎます。あわせて、ガラスとサッシのすき間を埋めている部分の劣化も確認し、必要に応じて補修します。

古民家の木製サッシを「交換しない」という選択。結露による黒カビ・水腐れを直して、意匠を残すリペア技術

傷みが深い場合の直し方

腐朽が木の奥深くまで進んでいる場合や、部材が大きく欠けている場合は、樹脂で埋めるだけでは強度が足りないことがあります。

このような場合は、傷んだ部分を切り取り、同じ種類の新しい木材をはめ込んで継ぎ足す方法をとることがあります。新しい木材を古い木の色に合わせて仕上げれば、窓全体の雰囲気を保ったまま、強度を取り戻すことができます。

さらに傷みが大きく、窓としての形を保てない場合は、アルミではなく、元の意匠に合わせた新しい木製サッシを作り直すという選択肢もあります。どの方法が適しているかは、傷みの程度や窓の構造によって異なるため、現地で確認したうえでご提案しています。

直したあとは「結露を減らす」工夫を

リペアで木製サッシを直しても、結露の量が変わらなければ、また同じように傷んでしまいます。補修とあわせて、結露を減らす工夫も考えましょう。

最も効果的なのは、今ある木製サッシの室内側に、もう一枚窓を取り付ける「内窓」の設置です。外から見た古民家の表情はそのままに、窓の断熱性を高め、木製サッシの結露を大きく減らすことができます。内窓のデザインを和の空間になじむものにすれば、室内の雰囲気も損ないません。

日常の工夫としては、朝に結露をこまめに拭き取る、換気をして室内の湿気を逃がす、サッシの下に結露を吸い取るテープを貼る、といった方法があります。民泊の場合は、清掃の際に窓まわりの結露や黒カビの有無を確認する項目を入れておくと、傷みを早く見つけられます。

古民家の木製サッシを「交換しない」という選択。結露による黒カビ・水腐れを直して、意匠を残すリペア技術

古民家民泊にとっての意味

古民家を民泊として活用している方にとって、木製サッシは建物の価値そのものです。ゲストは、木の窓越しに見える庭や雪景色に、日本の古い家ならではの趣を感じます。

傷んだ窓をそのままにしておけば、黒カビは見た目の印象を悪くし、清潔感を損ないます。一方で、アルミサッシに替えてしまえば、古民家らしさが失われます。傷んだ部分だけを丁寧に直すリペアは、その両方を避けながら、建物の魅力を守るための選択肢です。

意匠を守りながら、窓の機能を取り戻す

古民家の木製サッシは、新潟の冬の結露によって黒カビや水腐れが起きやすい部分です。しかし、アルミサッシに交換しなくても、腐った部分を取り除き、防カビ処理とエポキシ樹脂による成形、木目の再塗装を行うことで、古民家の意匠を損なわずに元の姿を取り戻すことができます。

冬を迎える前の今の時期に、窓まわりの状態を一度確認してみてください。黒カビや柔らかくなった部分を見つけたら、傷みが浅いうちに対処することが、窓を長く使い続けるための一番の近道です。

木製サッシや木製建具のリペア、内窓の設置による結露対策、古民家の総合的な改修から民泊の運営管理まで、㈱SATにお気軽にご相談ください。古民家の再生に長く携わってきた私たちが、建物の魅力を守りながら、快適に使い続けられる方法をご提案します。

LINEで無料相談受付中 https://lin.ee/VSG4TL3

株式会社SAT(エスエーティー)
新潟県新潟市秋葉区福島167-2

Contact

〒956-0014 新潟県新潟市秋葉区福島167-2

tel.0250-47-4174tel.0250-47-4174

営業時間/8:30~17:30
定休日/日曜日・祝日・他

お問い合わせはこちら

Copyright© SAT. All Rights Reserved.